Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Read 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 101,908 characters · 204 screens
トラ十は、命令するようにいった。
黒川は、それをきいて、けげんな顔。
「えっ、持って来たものを出せというが、なにを出すのかね。わしはなにも持ってこないよ」
「なんだ、なにも持ってないって、この野郎、かくすと承知しないぞ。たしかに持って来たものがあるはずだ」
「そんなものはありません。持ってきたというなら、その品物の名をいってください」
「お前は、剛情だな」とトラ十はいって、こんどは房枝の方に向き、「おい房枝、お前はいい子だから、かくさずにいうだろう。おれにあまり手あらなことをさせないのが、かしこいのだぞ、さあ、持ってきたものを出せ」
「トラ十さん。あんたはなにか思いちがいをしているわ。あたしたちは、ここへ来いと命ぜられたから、からだ一つで来たわけよ。なんにも持ってなんか来ませんわ」
「なんだ、お前までおれにかくす気か」
「おい丁野さん。房枝をいじめるんじゃないよ。いい加減にしなさい」
黒川は、見るに見かね、トラ十をしかりつけた。
トラ十は、小首をかしげている。なにか、彼には思いちがいがあったようである。
「ふん、やさしくいえば、二人ともつけあがって、おれをばかにする。