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げんだいちゃじんひはん
現代茶人批判
北大路 魯山人
Read 現代茶人批判 (げんだいちゃじんひはん) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 8,554 characters · 17 screens
天才の生まれ出でざる証拠であろう。従って美というものに理解なき彼ら、芸術の魂を知らざる彼ら、物の恐ろしさというものをぜんぜん知らないようだ。起居動作、用語の弁、いずれも彼らだけのいとも小さな世界にだけ喜ばれる常套語をもって、十人が十人紋切り型の交語が飛ぶ。それは声色の声色であり、声帯模写のそのまた声帯模写である。個性のひらめきを持ち合わさない人々、こんな習わしを不思議としない虚脱趣味の世界、これがお茶の道と心得られているのが現代茶人である。かかるが故に、お茶人の身上はこれこれとばかりなんら怪しむところなく、ただもうわけもなく喜悦し、この珍風景に縁なき徒輩たちを指しては妄りに俗物として、無風流の誹謗を真向から浴びせかけるというわけで、まことに苦笑禁じ得ないものばかりである。茶界というもの紋切り型一通り覚え込むさえ三年や五年はかかるものである。しかもまだその上幇間的駄洒落に富まざるべからざる要が加わるのである。この道、青山翁などは純に下手くそなものであった。そこへ行くと御殿山などはすこぶる堂に入り得意としたものである。茶会というもの笑話劇? 茶番狂言? 猿芝居? 漫才? なにがなにやらたわいもないことのようである。