Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

しらずやきものびみ

知らずや肝の美味

北大路 魯山人

Read 知らずや肝の美味 (しらずやきものびみ) by 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 1,226 characters · 3 screens

Aozora Bunko

それでも京の大市では、その肝を丁寧になべの中に添えて出すところから、その都度、美味かろう美味かろうで、よもやにひかされて食ってはみるが、何度食ってみても一向美味いものではない。

さかなの中で魚体も美味い、臓物全部いずれも美味い、腹子がまた格別美味いというのは、はもだけである。かわはぎの魚体は、さまで美味いとは言い難いが、しかし、その肝に至っては並々ならぬ特別の美味さを有っている。これあってこそ、このさかなが価値づけられているわけである。しかるに、その肝が捨てられるとあっては、笑止千万である。

ふぐの肝も、法をもって食うようにして食えば毒でもなし、相当美味いもののひとつではあるが、猛毒を有するとして、これを捨ててしまっている向きが多い。あるいは無闇と長時間ゆでて、なんの味も風情もないものとして、かろうじて食っているようなものもある。この肝の美味さを生かし、しかも、危険のない法を心得ないでもないが、余計なことを披露したために生兵法をやられても大変だから、特志があれば直伝することとする。

ふぐの肝をすりつぶし、醤油に混ぜて、ふぐの刺身につけて、美味がる向きもなしとはしないが、これは全然素人食である。