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じんじゃごうしにかんするいけん
神社合祀に関する意見
南方 熊楠
Read 神社合祀に関する意見 (じんじゃごうしにかんするいけん) by 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 32,819 characters · 64 screens
まのあたり古社、旧蹟を破壊して、その惜しむに足らざるを示し、さて一方に無恥不義きわまる神職をして破壊主義の発生を妨遮せしめんとするは、娼妓に烈女伝を説かしめ、屠者に殺生禁断を主張せしむるに異ならず。
むかし隋の煬帝、父を弑し継母を強姦し、しかして仏教を尊信することはなはだし。車駕一たび出で還らず、身凶刃に斃る。後世、仏者曲説保護せんとするも、その弁を得ず、わずかにこれこの菩薩濁世に生まれて天子すら悪をなすべからざるの理を実証明示せるなりと言う。嗚呼今の当局もまた後日わずかにかの人々は宰相高官すら神社を滅却すればその罪の到来する、綿々として断えず、国家の大禍をなすを免れずという理を明証せる権化の再誕なりと言われて安んぜんとするか。今日のごとき不埒な神職に愛国心や民の元気を鼓吹せしめんと謀るは、何ぞ梁の武帝が敵寇至るに沙門を集めて『摩訶般若心経』を講じて虜となり餓死せしに異ならん。むかし張角乱を作せしとき、漢廷官人の不心得を諷して向翔と言える人、兵を将い河上に臨み北向して『孝経』を読まば賊必ず自滅すべし、と言えり。また北狄が漢地を犯せし時、太守宋梟、涼州学術少なし、故にしばしば反す、急に『孝経』