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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Read 第二の接吻 (だいにのせっぷん) by 菊池 寛 (きくちかん) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 121,960 characters · 247 screens
こうして、一ラウンド近くなるにつれ、京子はよく戦い、今井と宮田とを圧倒するほどだった。荘家で勝つと、いつまでも荘家をつづけられるのだが、京子は荘家で三回も勝ちつづけ、連荘の名誉をほしいままにした。
「おどろいたね。こいつは、頭がいい。これほど京子さんがうまいとは思わなかった。」
今井がいった。
「なかなか玄人ですね。ちっとも大役をねらわずに、上りばかりを心がけているなんて。どうして心得たものだ。」
宮田が、感歎した。
「そんなに賞めておいて油断させようとしても、その手にはのらないことよ。」
「おや、おや。これは計略を見破られましたな。」
宮田は、頭をかいた。
京子が、勝ちつづけに勝っている間、倭文子は、一度も上りを取れなかった。ほかの人達が、もう何回となく、上りを取っているのに、倭文子だけは一度も勝てなかった。勝てなくてもいいとは思っているものの、一度も上りを取らないことは、あまりにきまりがわるかった。あまりにかなしいことだった。
ワンチャンスになっていたりツーチャンスになっていながら、最後の所で人に先んじられた。最初から、手駒の配列が非常によく今度こそはと思っていると、運わるく他人が二まわりくらいで上ってしまった。