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こうようさんじんといちようじょし
紅葉山人と一葉女史
宮本 百合子
Read 紅葉山人と一葉女史 (こうようさんじんといちようじょし) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 2,362 characters · 5 screens
けれ共、二つ三つと、よし異った形式、事柄でも、よんで居るうちに何となしけったるくなる。
まるで違った材料をあつかったものが欲しくなる。
一葉女史の作品でもそうだと思う。
「にごりえ」から始まって「たけくらべ」に至るまで、同じ様な骨子である。
立派に活きて居る才筆である。
まことに驚くべきものである。
紅葉山人のは勿論、少しは異った材料も、あつかって居られる。
けれ共、それは割合に、作者自身あんまり重きを置いて居られないらしく見える。
紅葉山人の筆があって露伴先生の頭があったらと思う。あんまり沢山読んで居るのでもないしするから、よくわからないけれ共、露伴先生よりは、紅葉山人の方が人物の描写が、何とも云えないほど上手であられる様にも思われるし、又才筆であった。
露伴先生のは、思想がいかにも卓越した、流石は禅学を深くさぐられた先生だけあると思われる。
同じ、馳落を書かれても露伴先生のは、どっかすっきりした禅めいたところがある。
対髑髏 にしても若しあれを紅葉山人が書かれたものとしたら、そう云う題もつけなさらなかったろうし、又あの女主人公のお妙を「隣の女」