Japanese reading practice

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ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Read 細雪 (ささめゆき) by 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 194,628 characters · 371 screens

Aozora Bunko

たちも好きな道なので、神杉さんのお宅のような十分な設備は整わないけれども、それさえお構いなかったらと、部屋を提供することにした。で、神杉家では置き舞台の用意などがあるのだけれども、それを大阪から蘆屋まで運んで来るのは厄介であるから、蒔岡方では階下の二た間つづきの洋間の家具を取り払い、食堂のうしろに金屏風を立てて其方を舞台にし、応接間の方を見物席として、絨毯の上に坐って見て貰うことにする。楽屋には二階の八畳の座敷を当てる。会は六月の第一日曜日、五日の午後一時から五時頃まで。妙子も当日は出さして貰って、「雪」を舞う。と云うようなことが取り極められたので、五月に這入ると、妙子は週に二三回も稽古場へ通って練習を励み出したが、特に二十日から一週間のあいだ、おさく師匠の方から毎日蘆屋の家へ出向いて稽古を附けてくれた。本年五十八歳になるおさく師匠は、元来が蒲柳の質であるところへ、腎臓の持病があり、めったに出稽古などに来てくれる人ではないのに、もう初夏の暑い日ざかりに、大阪の南の方から阪急電車で出向いて来てくれると云うのは、破格の好意なのであって、それは一つには、妙子が全くの「娘ちゃん」