Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

じじょでん

自叙伝

大杉 栄

Read 自叙伝 (じじょでん) by 大杉 栄 (おおすぎさかえ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 115,021 characters · 230 screens

Aozora Bunko

」

お祖父さんについての米はんの話は、ずいぶん長くもあり、また雄弁でもあった。が、僕もやはり弟と同じように、それがあんまり面白いんで大がいは忘れてしまった。

父の家は、名古屋を距る西に四里、津島という町の近くの、越治村大字宇治というのにあった。今では、その越治村が隣り村と合併して、神守村となっている、父の家は代々その宇治の庄屋を勤めていたらしい。

大杉という姓も、邸内に大きな杉の木があって、何とかいう殿様が鷹狩りか何かの折に立ちよられて、「大きな杉じゃなあ」と御感遊ばされたとかいうところから、それを苗字にしたのだそうだ。あんまり当てにはならない話だが。そして今でもまだ、街道から目印になるような、大きな杉の木がそこに立っている。

父が日清戦争で留守の間に、宇治のお祖父さんが死んだというので、一日無理に学校を休ませられたことがあった。が、このお祖父さんについては、権九郎とか権七郎とかいう名のほかには、何にも聞いた覚えがない。

清洲の近くにいた丹羽何とかいう老人が、このお祖父さんの弟で、少しは名のある国学者だったように聞いている。その形見の硯や水入れが家にあった。