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きくもようさらやまきだん
菊模様皿山奇談
三遊亭 円朝
Read 菊模様皿山奇談 (きくもようさらやまきだん) by 三遊亭 円朝 (さんゆうていえんちょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 189,935 characters · 379 screens
時節もあろうからと思い、大切な品は極別懇にいたす出入町人の家へ預けて置いたが、姉様と倶に喜六を便って信州へ立越る積りだ、手前も長く奉公してくれたが、親父も彼の通り追々老る年だし、菊はあゝ云う訳になったし、手前だけは別の事だから、こりゃア何の足しにもなるまいが、お父さまの御不断召だ、聊か心ばかりの品、受けて下さい、是まで段々手前にも宜く勤めて貰い、お父さまが亡い後も種々骨を折ってくれ、私は年が往かんのに、姉様は何事もお心得がないから何うして宜いかと誠に心配していたが、万事手前が取仕切ってしてくれ、誠に辱ない、此品はほんの志ばかりだ……また時が来て屋敷へ帰ることもあったら、相変らず屋敷へ来て貰いたい、此品だけを納めて下さい」
忠「へえ誠に有難う……」
竹「手前どうぞ岩吉にも会いたいけれども、立つ時はこっそりと立ちたいと思うから、よく親父にそう云っておくれよ」
と云われて、忠平は祖五郎とお竹の顔を視詰めて居りました。忠平は思い込んだ容子で、
忠「へえ……お嬢さま、私だけはどうかお供仰付け下さいますように願いたいもので、まア斯うやって私も五ヶ年御奉公をいたして居ります、成程親父は老る年ですが、まだ中々達者でございます、旦那様には別段に私も御贔屓を戴きましたから、忠平だけはお供をいたし、御道中と申しても若旦那