Japanese reading practice

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みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Read 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 88,662 characters · 174 screens

Aozora Bunko

」

「じゃ、何時か街の袋小路の行停まりで見たときも、あたいのせいだと、仰有るの。」

「あの時は僕ときみとが半分ずつ作り合わせて見ていたのだ、だから、すぐ行方不明になって了った。人間は頭の中で作り出した女と連れ立っている場合さえある。死んだ女と寝たという人間さえいるんだ。」

「それはユメなのよ。」

「ユメの中で男と逢った女で、孕んだ例は沢山にあるんだ。」

「おじさまのバカも無限なバカになりかかっているわね、後生だから庭にだけでも出て見て頂戴。」

「しつこい出目金だ。」

「出目金とはなんです。あたいが出目金ならおじさまは何だい、死に損ったふらふらお爺ちゃんじゃないの、あたい、往ってあんな死に損いなんかに会わないで、帰っていただくようにいうわよ。」

「ついでに、もう来ないでくれと言ってくれ。」

「会いたいくせにそれを耐えて、いらいらしていてそれが本心だというの、会いたくても飛び出せもしないくせしていて、意気地なしね、うそつきなのね、両方で同じことを言っているんだ、おばさまはおばさまで逃げ廻っているし、此方は此方で逃げを打つなんて、揃って人間なんて嘘のつき合いをしているようなもんだ。