Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

みつのあわれ

蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ

室生 犀星

Read 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) by 室生 犀星 (むろうさいせい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 88,662 characters · 174 screens

Aozora Bunko

」

「はかないという口くせで、きょうまでやっていらっしったんじゃないの、だから、後は仕方がないからそのはかないことばかり書くのよ、はかない人間がはかない事を書くのは当り前のことだわよ、金魚の事は金魚のことしかかけないし、人間は人間のことしか書けないのよ。」

「よし判った、ではゆっくりお休み。」

「おやすみなさいまし、明日また。」

「今夜はおじさんと寝ないんだね。」

「きょうはくたびれちゃって、おじさまを喜ばせるだけの体力が、あたいに、なくなっているのよ。」

「小さいからね、では、勢よく、どぶんとお池に飛びこめ、」

「どぶんと飛びこむわ、一、二、三、と、あ、わすれた、明日は理髪店に行く日なのよ、お忘れにならないで、……」

「有難う、ちんぴら。」

「よいしょ、どぶん、……と、お池の神さま待ち兼ねや。」

「日がみじかくなったわね、四時半というのに、もう暗いわ。だんだん寒くなったらどうしましょう、お縁側に入れていただかなくちゃ、池が氷ったら、あたい、死んじまう。」

「硝子の鉢に入れて日向に置いてあげよう。」

「硝子の鉢はね、四方から見られるから羞かしいわ、あたい、何時でも裸なんだし、みんな見られてしまうもの。