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あかつちへくるこどもたち

赤土へくる子供たち

小川 未明

Read 赤土へくる子供たち (あかつちへくるこどもたち) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 16,075 characters · 33 screens

Aozora Bunko

べいなら、その負けたこまを、勝ったものが取るというふうに、勝負の後が、品物のやりとりになるからいけないというのだ。」

「先生そんなら、ただ、おたがいがこまをまわして、勝負をするぶんなら、いいのですか。」

「ものをかけたりしなければ、わるいことはない、みんなが、ただ一つぎりでな。ぼくも、子供の時分は、こまをまわすのが大すきだった。」

「先生も、べいをなさったのですか?」と、二人の子供は、おどろいた顔をしました。

「いや、ぼくの子供の時分には、べいごまなどというようなものは見なかった。もっと大形の木ごまか、鉄胴のはまったこまだった。鉄胴のこまには、木ごまは、どうしてもかなわなかったものだ。そして、こまの合戦は、それは、さかんなものだった。」

吉川先生は、自分の子供の時分を思い出して、いまのようにものをかけずに、ただ勝負をしただけで、それでもみんなが、満足したという話をなさいました。

「木ごまは、鉄胴にかかると、よく真二つにわれたものだ。そのわれるのが、またゆかいだった。しかし、つばきの木でつくった木ごまは、たいへんかたくて、なかなかわれぬばかりでなく、うまく火花をちらして、ぶつかって、どぶの中へ鉄胴をはねとばしてしまうことが、あったものだ。