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せきがいせんおとこ
赤外線男
海野 十三
Read 赤外線男 (せきがいせんおとこ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 38,889 characters · 78 screens
専攻しているのは光学であるが、事務的手腕もあるというので、この方の人材乏しい研究所の会計方面も見ているという働き手であった。色は白い方で、背丈も高からず、肉附もふくらかであったので、何となく女性めき、この頃もてはやされるスポーツマンとは凡そ正反対の男であった。
深山理学士が目下研究しているものは、赤外線であった。
赤外線というのは、一種の光線である。人間は紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の色や、これ等の交った透明な光を見ることが出来る。この赤だの青だのは、ラジオと同じような電波であるが、ラジオの電波よりも大変波長が小さい。そのうちでも紫は一番短く、赤は比較的波長が長い。長いといっても一センチメートルの千分の一よりもまだ短い。ラジオの波は三百メートルも四百メートルもあって較べものにならない。
ところで光線と名付けられるものは、この紫から赤までだけではない。紫よりももっと波長の短い波があって、これを紫外線とよんでいる。紫外線療法といって、紫外線を皮膚にあてると、人体の活力はメキメキと増進することは誰も知っている。一方、赤よりも波長の長い光線があって、これを赤外線と呼んでいる。