Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
めいしんとしゅうきょう
迷信と宗教
井上 円了
Read 迷信と宗教 (めいしんとしゅうきょう) by 井上 円了 (いのうええんりょう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 151,147 characters · 298 screens
ゆえに余は、この文字を特に印刷して諸氏にわかち、もって哲学的守り札と定めんと欲す。およそ守り札は、その物もとより神にもあらず仏にもあらざれば、これを礼拝崇敬するも、別になんらの効験、霊能あるべき理なし。ただその用は、一つは安心慰安のためなり、一つは注意を呼び起こすためなり、一つは信仰を固むるためなり、一つは良心を想起せしむるためなり。例えば、子供に怪我よけの守り札を帯ばしむるは、一種の禁厭と同じく、気安めに過ぎず。さなければ、子供をして怪我せざるよう注意を起こさしむるものなり。火難よけ、盗難よけ等の守り札を柱の上に張りつけおくも右同断なり。中にも天照皇大神の神符を神棚に納めて、朝夕礼拝するがごときは、一つは崇敬の意を表し、一つは信仰の念を深くし、よってもって良心を喚起するに至るものなり。ゆえに、守り札必ずしも無用なるにあらずといえども、これによりて目前直接の霊験ありと思うは愚民の迷いなり。ただ、良心を集中するに多少の効験あるのみ。換言すれば、守り札は客観的の効験あるにあらずして、主観的の効験あるのみ。ゆえに余は、哲学的守り札を設けて守り札の改良を計らんと欲す。