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でんきばと
電気鳩
海野 十三
Read 電気鳩 (でんきばと) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 25,465 characters · 52 screens
さあどうなる。たいへんたいへん。
ながれるたる
高一少年をさらってゆく外国の貨物船が、いましきりに日本の軍艦から砲撃されています。
高一は、伝書鳩アシガラとともに、船ぞこにころがるたるのなかに、とじこめられているのです。このまま、汽船がうちしずめられると、高一は、海へおちて死んでしまうでしょう。
そのとき、天下無敵に強い電気鳩を、あやまってにがしたスパイ団長などのわる者たちは、たるをおいてある船ぞこをしきりにさがしています。高一は、ふとひとつのうまい工夫を考えつきました。
高一は一生けんめいで、いましめのなわから手をぬきました。ようやく、手がぬけると、こんどは力いっぱい、たるのふたを両手でつきあげました。三度、四度とやっているうちに、さすがに、かたくはまっていたふたも、ぎしりと音がして、すこしすきまができました。わる者たちは、わあわあさわいでいるので、その音に気がつきません。
「しめた。では、ここらでだましてやろう」
と、高一がたるのすきまから伝書鳩アシガラをはなすと、アシガラはぱたぱたとびまわります。
「あっ、電気鳩がいたぞ」
「しめた。さあ、はやくつかまえろ」