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でんきばと
電気鳩
海野 十三
Read 電気鳩 (でんきばと) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 25,465 characters · 52 screens
高一としては、もとより命をなげだしての大しごとです。父親が敵にとりこにされているのをみて、どうして、じっとしていられましょうか。また、日本の国をまもる「地底戦車」を発明したお父さまを、いつまでも敵にうばわれていて、それでいいものでしょうか。といって、日本の兵隊さんがせめれば、お父さまのお命があぶない――子供なればこそできるかもしれないという、今日の大冒険なのです。
「お父さまをぶじにすくいだすことができれば、ぼくは、死んでもいいんだ」
島についた高一は、まず船のなかから、りんごのいっぱいはいったかごを上にあげました。そして、軍用犬をつれて島にとびあがりました。
高一は、りんごのかごをかたにかけて、トーチカの方へ歩いてゆきました。
「こら、少年まて。どこへゆくんだ」
思いがけない立木のかげから、銃剣をかまえた敵兵がとびだしました。
「……」
高一は口をきかないで、かごのりんごをゆびさしました。そしてむしゃむしゃたべるまねをして、ほっぺたがおちるくらい、おいしいぞという顔をしてみせました。敵兵は、
「なんだ、お前は口がきけないのか。りんごを買えというのだな。