Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
れいかん
霊感
豊島 与志雄
Read 霊感 (れいかん) by 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 15,268 characters · 31 screens
「一向に話がはかどらないそうですよ。先に立ってやろうという人がないらしいんですの。」
A女は静かに答えました。
「おおかた、そんなことだろうと、わたくしも思っておりました。」
村尾さんには、A女自身までが冷淡なように見えました。
するうちに、事情が一変しました。相良家の主人が旅から帰って来て、右の話を聞きますと、稲荷さんを祭るのもよかろうと言いました。そんなことに何もこだわる必要はないし、屋敷内に祭ってあったものなら、新たに祭り直しても構わないし、ついては、どういう人か知らないが、村尾さんのお友だちとかいうその人にも立ち会って貰いたいが、その代り、樹の切株のことや、地蔵さんのことには、うちでは一切関係しない、とそう言うのでした。
分譲地の人たちの方でも、反対者を除いて、地所の祓い浄めをしてみようということになりました。だんだん調べてみると、切株の樹が茂っていた昔、その枝で縊死を遂げた女人があった由でした。
そして、相良家の稲荷さんは、新たに祭り直されました。A女は無理に頼まれ、名前は匿して、古い御堂の開扉の役をしましたが、中を調べてみますと、それは珍らしく、女夫稲荷だったのです。