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れいこんだいじゅうごうのひみつ
霊魂第十号の秘密
海野 十三
Read 霊魂第十号の秘密 (れいこんだいじゅうごうのひみつ) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 43,100 characters · 86 screens
電波小屋「波動館」
みなさんと同じように、一畑少年も熱心な電波アマチュアだった。
少年は、来年は高校の試験を受けなくてはならないんだが、その準備はそっちのけにして、受信機などの設計と組立と、そして受信とに熱中している。
彼は、庭のかたすみに、そのための小屋を持っている。その小屋の中に、彼の小工場があり、送受信所があり、図書室があった。もちろん電源も特別にこの小屋にはいっていた。この小屋を彼は「波動館」と名づけていた。
このような設備のととのった無線小屋を、どの電波アマチュアも持つというわけにはいかないだろう。
一畑少年の場合は、お母さんにうんとねだってしまって、このりっぱな「波動館」を作りあげてしまったのだ。
お母さんは、ひとり子の隆夫少年に昔から甘くもあったが、また隆夫少年ひとりをたよりに、さびしく暮して行かねばならない気の毒な婦人でもあった。
というのは、隆夫少年の父親である一畑治明博士は、ヨーロッパの戦乱地でその消息をたち、このところ四カ年にわたって行方不明のままでいるのだ。あらゆる手はつくしたが、治明博士の噂のかけらも、はいらなかった。