Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

あおだけ

青竹

山本 周五郎

Read 青竹 (あおだけ) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N1. Tap a word for the meaning.

N1 · advanced · modern kanji and kana · 14,622 characters · 29 screens

Aozora Bunko

「あのおり予はそのほうを叱った、そのほうはただ詫びるだけであったが、いま申したほどの覚悟をもつさむらいが、あのときわけもなく手をつかねて見ている道理はない筈だ、なにか心得るところがあってのことと思うがどうだ」

源七郎は困ったという顔でおのれの膝をみつめていた。直政はかさねて促した、それで源七郎はひどく云いにくそうに、「申上げるほどのことではございませんが」とぽつりぽつり答えた、「たとえば、殿には関ヶ原のおりどのようにお戦いあそばしましたでしょうか、乱軍のなかに御馬を駆りいれ、矢だまを冒して敵陣を蹴ちらし、ついには銃撃にあうほどのめざましいおはたらきでございました、なおたか様とても、やがては徳川家一方の大将となるべきおからだでございます、柔弱なおそだてようをつかまつってはならぬと、くれぐれも心を戒めておりました、それだけでございます」

「だが賊を斬ったからよいが、もし若が斬られたとしたらどうする、柔弱に育てぬということは暴勇をやしなう意味ではない筈だ」

「殿には直孝さまを暴勇の質とおぼしめしますか」

直政はぐっと詰った、直孝は暴勇などという性質とはおよそ逆であった、心もからだも虚弱な長子なおかつに比し、直孝は明敏で濶達な気性と、すぐれた健康にめぐまれていた、直政はこれこそ井伊家の世継ぎと思い、ひそかに伝来の采配