Japanese reading practice

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がいこつとうのだいぼうけん

骸骨島の大冒険

山本 周五郎

Read 骸骨島の大冒険 (がいこつとうのだいぼうけん) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,922 characters · 35 screens

Aozora Bunko

骸骨島の罠

すると車が横浜を通り過ぎ、程ヶ谷、戸塚とさしかかって来た時である。運転手台に乗っていた、助手の一人が、突然文子の席の方へ躍込んで来た。

「あれ! 何をするんです※(感嘆符二つ、1-8-75)」

びっくりして、文子が、身を起そうとするとたん、怪しい助手は虎のように文子に跳びかかって、肩を抱かえると共に、いやな匂いのする、ハンカチを文子の鼻に押当てた。

「ああ欺された。嘘の電話でおびき出されたのだ、口惜い」

そう思って文子は、どうかしてのがれ出ようと身をもがいたが、鼻に当てられた手帛の厭な匂いを嗅いでいる内に、いつか頭がぼうっとなって、まるで海の底へでもひきこまれるように、気が遠くなってしまった。

「ちびっ子のくせに骨を折らしやがった」

悪漢はそう云うと、麻酔剤の為に眠りに落ちていった文子をそこに寝かして、わめいた。

「さあ、全速力でやってくれ」

自動車は暮れかかる街道を、矢のように疾走した。

骸骨島の罠

それから何時間かたった。

文子はふと我にかえった。見ると小さい真暗な部屋に唯一人寝かされている。

はね起きて、どこかに出口はないかと、手探りではい廻ると、幸い扉口のようなものを探し当てた。