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あたまでっかち
あたまでっかち
下村 千秋
Read あたまでっかち by 下村 千秋 (しもむらちあき) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 17,773 characters · 36 screens
「頭がでかい子は、えらい人になるんだぞ。なくことはない。」
おじいさんは、林太郎がなきながら家へかえってくるのを見ると、そういってその頭をなでるのでした。またおかあさんは、夜、林太郎をだいてねるたびに、その頭を平手でなでながら、
「林太郎は、学校がよくできるので、みんながやっかんであんな悪口をいうのだよ。子どもの頭は大きい方がいいんだぞ。みんなの頭は小さすぎるんだぞ。」
と、やさしくいってきかせるのでした。
実際、林太郎は学校の成績がよく、いままでに三番とさがったことはなかったのです。ただ、頭が重いため、運動がへたで、ことにかけっくらになると、いつもびりっかすでした。で、おとうさんはよくこういうのです。
「学校なぞはできなくてもいいから、かけっくらで一番になれ。いつまでたってもごろっこじゃ、百姓にもなれやしない。」
そういわれると、林太郎はまたくやしそうになきだします。するとおとうさんはまた、
「またなきやがる。乞食の子にくれてやるぞ。」
と、どなりました。
おじいさんとおかあさんは、頭が大きいのをほめてくれるのに、おとうさんだけは、いつもそんなふうにいっては、つらくあたるので、林太郎はおとうさんをこわがって少しもなつきませんでした。