Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
あるひのせんせいとこども
ある日の先生と子供
小川 未明
Read ある日の先生と子供 (あるひのせんせいとこども) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 3,639 characters · 8 screens
「お湯をやったのかい。」と、小田は、目を円くして問いました。
「やまがらが、お湯を飲んだら、舌を焼くだろうかね。」と、吉雄は、小田にたずねました。
「お湯を飲めば、舌を焼くさ。」
「死ぬだろうね?」
「ああ、死ぬかもしれないよ。」
吉雄は、もう、じっとしていることができませんでした。さっそく、教室へはいって、荷物を持って帰り支度をしました。
「君、家へ帰るの?」と、小田が、そばにきてたずねました。
「ああ、僕、家へ帰って、やまがらにお湯をやったのを、水に換えてくるよ。しかし、もう飲んでしまったら、たいへんだね。」と、吉雄は、いいました。
すると、りこうそうな、目のぱっちりした小田は、吉雄を慰めるように、
「君、もう飲んでしまったらしかたがない。そして、いま時分は、お湯は、こんなに寒いんだもの、水になっているよ。帰ってもしかたがないだろう。」といいました。
吉雄は、なるほどと思いました。そして、帰るのをやめました。
この話を、だれか受け持ちの先生に、したものがあります。すると、先生は、みんなの前で、
「小田のいうことはよくわかる。頭がいいからだ。そして、いつまでもお湯が、あついと思ったり、やまがらに、お湯をやるようなものは、頭がよくないからだ。