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おばけとまちがえたはなし
お化けとまちがえた話
小川 未明
Read お化けとまちがえた話 (おばけとまちがえたはなし) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 2,499 characters · 6 screens
「おまえは、よくお隣へゆくが、おかみさんの仕事の邪魔をしてはいけないよ。」と、おばあさんは、二郎にいい聞かせたのです。
しかし、二郎は、隣へ遊びにゆきました。ゆけば、人のよい女房は、
「二郎ちゃん、遊びにきたのかね。」といって、心持ちよく迎えてくれました。そして、二郎が遊びに飽きて帰ろうとすると、
「転ばんように、お帰り。また、遊びにきなさいね。」と、いってくれたのであります。
秋も老けて、末になると、いつしかかきの木は坊主になってしまって、寒い木枯らしが、昼も夜も吹きさらしました。そして、日は短くなって、昼になったかと思うと、じきに晩となり暗くなったのでした。
からすが、悲しそうに鳴いて、村の中はさびしげに見え、とうとう雪の降る冬になってしまいました。
雪が降って、地の上に積もると、二郎は、外へ出て遊ぶことができないから、いままでよりも、もっとたびたび、隣の家へ遊びにゆくようになりました。
女房は、明るい、障子窓の下へ、箱を置いて、それを台にして、上で封筒を貼っていました。日が当たると、屋根の雪が解けて、ポトリポトリと音をたて、障子に黒い影をうつして落ちるのでした。