Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

からすのうたうたい

からすの唄うたい

小川 未明

Read からすの唄うたい (からすのうたうたい) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 5,709 characters · 12 screens

Aozora Bunko

あめを投げてやったり、チャルメラを吹いて聞かせたりしますうちに、からすは、だんだんおじいさんに馴れてしまいました。

しまいには、木の枝から降りてきて、屋台の上に止まるようになり、それから、おじいさんの肩の上に、手の上に止まるようになったのであります。

からすは、こうして、おじいさんに、馴れましたけれど、知らない、ほかの人には、馴れませんでした。子供らが集まってきたり、いろいろの人たちがいるときには、あちらの木の枝の上に飛んでゆきました。

おじいさんは、どうかして、からすに唄わせて、それをみんなに聞かせたら、きっとそのことが評判になって、あめがよく売れるにちがいないと思いましたから、

「どうだ。これから、俺といっしょに町へいってみようじゃないか。」と、おじいさんは、からすに向かっていいました。

からすは、いつも見ているこのあたりの野原や、林や、丘や、森や、そうした変化のない景色に飽きていました。おじいさんが自分をかわいがってくれて、またうまいものを食べさしてくれるなら、自分は、しばらくの間は、どこへいってもいいと思いました。

「おまえが、俺といっしょに歩いて、唄をうたってくれるなら、きっと、俺のあめはたくさん売れるだろう……。