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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Read ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 164,113 characters · 332 screens
「何うだ? 何かぼろいことおまへんか?」
「この頃てんとあきまへん。何かぼろいことおましたら、わたいも仲間へ入れておくなはらんか?」
「時にえゝお天気だんな。あんた、えろお早うおまんな」
「へえ、ほんまに早うおまっしゃろ。お日さんがよう照ってはるさかいこれがほんまの日本晴れだっしゃろ。時に皆はん変りおまへんか?」
「へえ、わたいとこもお蔭で皆達者だす。あんたはんとこかて、皆達者だっか? あんたかてぼろいことおましたら聞かしておくんなはれ。ほんまに頼んまっせ」
「え、よろしおま。この頃てんとあきまへんけど、あったら電話かけまっさ」
といった調子で、大阪会話篇は必ずぼろいことで始まってぼろいことで終る。随って全く金の欲しくない人は大阪には居たゝまれない。尤も今のところ然ういう篤志家は滅多にないから、このぼろいこと本位の大都会は市内に収容し切れないほど有象無象を惹きつける。小川さんもその有象か無象の一人だ。
さて、昨日の夕方梅田に着くと、一行は予定通り散り/″\になった。団さんは道修町に御賢弟がいるので、田鶴子さん共々に其処へ引き取った。三輪さんは弁護士をしている叔父さんの家がお宿で、