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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Read ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) by 佐々木 邦 (ささきくに) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 164,113 characters · 332 screens
此処のお盆は陽気なものだぜ。墓地へ提燈を点すのは何処も同じだが、此処のは数が多い。大家となると二百三百と桁にして吊るすから山はイルミネーションのようで町中まで明るくなる。その提燈の下で一家眷属が、然うだねえ、十時頃まで酒を飲む、御馳走を食べる、爆竹をやる。宛然お祭り騒ぎさ。墓地を引き揚げると今度は燈籠流しというのをやる。これが又盛んなものでね。先刻寄ったあの大波止へ種々の恰好に拵えた燈籠を持って此方からは勿論稲佐辺からもジャン/\銅鑼を鳴らして集まって来る。此処から見ていると綺麗だぜ」
「余程異っているね。支那の影響か知ら?」
とお父さんが言った。
「然うさね。銅鑼や爆竹は確かに支那のものだが」
本殿の横に青銅の馬が立っている。この馬の為めにこの神社は馬寺という名前で外国の観光客社会に知られているそうだ。西洋人が能く来ると見えて、英文御籤というのを社務所で売っている。
「此処のお祭典は踊りが呼物だね」
と渡辺さんは順を追って三馬鹿を説き尽す積りと見えた。
「町々で思考を凝らした踊りを奉納する。主に芸者が出るが、あゝいう宜しくないのが公共の為めに、寄附をする筈はないから、衣裳万端当該町民が負担しなければならない。