Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
とびよなけ
とびよ鳴け
小川 未明
Read とびよ鳴け (とびよなけ) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 5,471 characters · 12 screens
「うしろへ乗らないか。」
辰一は、喜んで、徳蔵さんの背中につかまって、荷掛けに腰をかけ、足をぶらんと下げました。
「足を気をつけな。」
さびしい田舎道の方まで、自転車を走らせて、二人は、散歩しました。徳蔵さんは、辰一にとって、実の兄さんのような気がしました。
去年の暮れ、徳蔵さんに、召集令が下りました。辰一は、空が曇って、風の吹く日に、旗を振りながら、氏神さまへ送っていったことを忘れることができません。
「万歳! 万歳!」と叫びながら、どうか、めでたく凱旋してきてください。そのときは、また
こうして迎えに出るからと、ひとりでいったのでした。
徳蔵さんが、戦死されたという知らせがとどいたのは、ほたるの出はじめる夏のころでした。そして、それがじつに悲壮なものであったことは、このほど帰還した兵士の口からくわしく伝えられたのであります。その兵隊さんは、同じ部隊で、徳歳さんのことをよく知っていました。
出征の際は、○○駅から、徳蔵さんは、出発したのです。兵隊さんを乗せた汽車が通ると、国防婦人の制服を着た女たちは、線路のそばに並んで、旗を振りました。後れた女の人は、旗を振りながら、田圃道を走ってきました。