Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
どこかでよぶような
どこかで呼ぶような
小川 未明
Read どこかで呼ぶような (どこかでよぶような) by 小川 未明 (おがわみめい) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 3,361 characters · 7 screens
弟は、足がつかれたといって、とうとう泣きだしてしまいました。すると、そこを通りかけたオート三輪車があって、わざわざ車をとめ、石炭をはこんだあきばこの中へ、二人を入れて、とちゅうまで、送ってくれました。きっと、あのときから、この車は、この道をいったりきたりしていると思ったので、
「いつか、ぼく、これとおなじような三輪車に、弟と二人が、乗せてもらったのですよ。おじさんは、あのわかい人を知らない?」と、わたくしはきゅうになつかしくなって、走りながら、車の上で、聞きました。
「どんなようすをしていたい?」
おじさんは、運転しながらいいました。
「おじさんより、もっとわかい人なんだよ。」
「いつごろのこと?」
「おととしの夏休みだった。」と、わたくしは、答えました。
「ああ、それでは、知らない。たぶん、人がかわっているだろう。」
そうすれば、わたくしは、あの人にもうあえないのかと、さびしく思いました。
車は遠くに見えた、あの森をいつのまにか、うしろにして、町へ出たのでした。はじめて、あの花火は、こんど、新しく、町を電車が、通ったので、その祝賀会がもよおされるためとわかりました。