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マルおよびムレについて
マル及ムレについて
木暮 理太郎
Read マル及ムレについて (マルおよびムレについて) by 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 15,258 characters · 30 screens
川浦という地名は川の先という意であろう。『大言海』にはウレはウラエ(末枝)の約まったものと説明してあるが、ウラに就ては言う所がない。
国語の例からいえば、マからモに転ずるのが普通のようで、モト(元)はマト(真処)、モナカ(最中)はマナカ(真中)、モノ(物)はマナ(真名)の転であると大島博士は説いている。或は山の韓語はマルが最も古く、モロ、モリ、モイと転じ、その最古語のマルが済州島に保存されたのかも知れない。ムとモの通音なることはムクゲ、モクゲ(木槿)、ムグッチョ、モグッチョ(カイツムリ)、ムクムク、モクモク(形容詞)などの例に依りて知られ、ウとムにも亦ムマ、ウマ(馬)、ムメ、ウメ(梅)、ムナギ、ウナギ(鰻)、ムベ、ウベ(トキハアケビ)などの例がある。
前に書き洩らしたから茲に補入して置くが、甲斐にもモリと名の付く山は可なりある、『甲斐国志』を一瞥した丈でも山梨郡に石森、秀森、竹森、中津森、水ヶ森があり、巨摩郡に美森、黒森、石森、霧森、飯盛、大井森、離レ森、烏森、森山、鈴ヶ森、鷹森がある、尚お入念に図書を渉猟したならば更に多くを発見するであろう。是等は主に小山であってアイヌ語のモリと能く一致している、しかもこの言葉は死語ではない、今も甲州の老猟師が往々口にする所で、雨畑附近の猟師は笊ヶ岳を笊ヶ森と呼んでいる