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おもいで

ロッパの悲食記

古川 緑波

Read ロッパの悲食記 (おもいで) by 古川 緑波 (ふるかわろっぱ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 52,651 characters · 114 screens

Aozora Bunko

いまの、戦後の、喫茶店というものの在り方だが――

純喫茶というものだけでも、数ばかり如何に多くなったことよ。

東京も、大阪も、京都、名古屋も、コーヒーの店は、実に多くなった。

関西へ行くと、コーヒーは、ブラジルの香りが高い。東京では、モカ系が多く、関西は、ブラジル、ジャワなどの豆を、ミックスしているらしい。

有楽町のアートコーヒーへ行けば、ブラジルでも、モカでも好みの豆が揃っていて、註文すれば、何でも飲める。

昔の五銭に比べれば、今の、最低五十円のコーヒーは、馬鹿々々しい。が、おしぼりが出たりして、サーヴィスは中々いい。

喫茶店のサーヴィスで、一番気に入ったのは、アマンドのチェーン、各店が、コーヒーなどの後に、コップ入りの番茶を、サーヴィスすることで、これは、後から後からと、所謂「回転」を急いで、追い立てられる感じと違って、「何卒ごゆっくり」と言われているようで気持がいい。

そういう、明るい純喫茶とは別に、近頃、ジャズをきかせる喫茶店が、銀座に出来た。

それも、二軒や三軒ではなく、目下も、殖えつつあるようだ。

戦前から戦時にかけて、新興喫茶と称する店が出来て、レコードをきかせ、昆布茶などを飲ませたが、そして、それらは、女給の美しいのを売りものにしたものだが、今回の、ナマの音楽を売りものの喫茶店は、(これ