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せんきゅうひゃくにじゅうさんねんなつ
一九二三年夏
宮本 百合子
Read 一九二三年夏 (せんきゅうひゃくにじゅうさんねんなつ) by 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 7,898 characters · 16 screens
私、まあ! ハハハハそうね、私の一番欲しいものがあるのは、食料品のところと、家具のところだわ、……家具のところが一番多いわね。
A、だから、やっぱり、あれなのさ、何とか彼とか云って。
私、――グランパだって、そうじゃあないの。
A、僕は嘘をつかない。百合ちゃんは始めっから、うそをついて居る。
私。……(沈黙)、暫く後
グランパは、冗談に惨酷なことでも平気でおっしゃるわね。
(その時自分の心持は、自分ならああは云うまい。欲しいものも欲しくないものとして自分の為に、貧しいなら貧しい生活に行った者に、そんなことは云うまい。思いやりのない、ひとを Hurt することの平気な、一寸した正しさの自己満足にひたりたい、低劣な心持、いかにも彼のいやな部分が出た、と感じた。)
後二階にあがり 此を書き乍ら
一方云うと、Aの言葉は自分の中心をついた為、惨酷に感じたのだと考えなおした。
自分が安のんな生活から云々と云う考えかたも滑稽に、且センチメンタルで、自分の不徹底を示して居る。
うんと金をつかってのさばって生活したいのなら、金持の妻にでもなれ。
平気で意義ある貧乏をするなら、平気で、書生の気でしろ。