Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
まんようしゅうか
万葉秀歌
斎藤 茂吉
Read 万葉秀歌 (まんようしゅうか) by 斎藤 茂吉 (さいとうもきち) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 213,820 characters · 427 screens
沫雪は消え易いけれども、降る時には勢いづいて降る。そこで、旅人の此歌も、「ほどろほどろに」と繰返しているのは、旅人はそう感じて繰返したのであろうから、分量の少い、薄く降るという解釈とは合わぬのである。特に「零り重けば」であるから、単に「薄い雪」をハダレというのでは解釈がつかない。また、「はだれ降りおほひ消なばかも」(同・二三三七)の例も、薄く降るというよりも盛に降る心持である。そこで、ハダレは繊細に柔かに降り積る雪のことで、ホドロホドロニは、そういう柔かい感じの雪が、勢いづいて降るということになりはしないか。ホドロホドロと繰返したのは旅人のこの一首のみで、模倣せられずにしまった。
この一首は、前にあった旅人の歌同様、線の太い、直線的な歌いぶりであるが、感慨が浮調子でなく真面目な歌いぶりである。細かく顫う哀韻を聴き得ないのは、憶良などの歌もそうだが、この一団の歌人の一つの傾向と看做し得るであろう。
○
吾背子と二人見ませば幾許かこの零る雪の懽しからまし 〔巻八・一六五八〕 光明皇后
藤皇后(光明皇后)が聖武天皇に奉られた御歌である。