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さんにんのそうまだいさく
三人の相馬大作
直木 三十五
Read 三人の相馬大作 (さんにんのそうまだいさく) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 32,603 characters · 66 screens
「成る程――して、中々、手者だと聞くが、尋常に名乗りかけて討ったか」
「中々――お恥かしい話で御座りますが、欺して討取りまして御座ります」
「欺してな?」
「尋常の太刀討では、手前共、五人、七人かかろうとも敵いませぬゆえ、酒に酔わさして、縄で足をとって、倒れるところを、斬りまして御座ります」
「左様か、何れにしても、討取ればよい。追って、褒美の沙汰があろうが、疲れておろう、戻ってゆっくり休憩するがよい」
右源太は
(ここさえ無事に通ればよい。全く、芝居でもする通り、首実検は、危ない仕事だ――いいや、危ないように見えていて、昔から、やさしいことらしい。死顔と、生顔とは相好の変るもの――)
と、肚の中で、仮色の真似をしてみた。
十九
湯の中は、薄暗くて――乏しい光と、濃い湯気とで、すぐ側の人の顔さえ、判らなかった。
白いお馬は、主かいな
今宵帰して、いつの日か
濡れにくるかや、しっぽりと
抱いて、あかした移り香の
さめて、果敢なや、肌寒の
朝の廓の霜景色
霜にまごうか白い馬
「とくらあ――あちちちち」
一人の若い衆が、湯の中から、飛上った。
「気をつけろ」
「御免なせい。こりゃお侍さんだ。