Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
さんじゅうねんごのせかい
三十年後の世界
海野 十三
Read 三十年後の世界 (さんじゅうねんごのせかい) by 海野 十三 (うんのじゅうざ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 68,140 characters · 137 screens
しかしその怪魚の身体の下部はどれくらい長いのか、どんな形になっているのか分からないので、胸までのり出したように思うだけであった。
そのうちに怪魚の数がふえた。二、三十ぴきにふえた。しかもその怪魚たちは、上半身を水面からのりだしたまま、一ヶ所に集まってきた。そして、ひゅうひゅうというような奇妙な声をあげ、たがいに首をねじまげ、顔をくっつけあいする。
「あの魚は、声を出すよ。ああ気味が悪い」
キンちゃんは、正吉にしがみつく。
「声を出すだけではないよ。あれは、話をしあっているんだよ」
「えッ。話をしあうって。魚と魚と話ができるのかい。いやあ、たいへんだ、いよいよお化け魚ときまった。とてもたべられるしろものじゃない」
キンちゃんは青くなった。
「あの様子を見ると、あの怪魚はぼくらの知っている魚よりも、ずっと高等動物にちがいない。ほら、あの怪魚たちは、さっきからぼくらのいるのを知っているんだよ。だから怪魚たちはスクラムをくんで、じわじわとこっちへ近づいて来る」
「なに、こっちへ近づいて来るって。それはたいへんだ。逃げよう」
「なあに、大丈夫。怪魚たちは、ぼくたちとなにか話をしたいのかもしれない」