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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Read 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 179,458 characters · 363 screens
それから幾日の後、かのすっぽんは再び姿をあらわして、宋の家のまわりを這い歩いていたが、又もや去って水に隠れた。
近所の人は宋にむかって母の喪服を着けろと勧めたが、たとい形を変じても母はまだ生きているのであると言って、彼は喪服を着けなかった。
青牛
秦の時、武都の故道に怒特の祠というのがあって、その祠のほとりに大きい梓の樹が立っていた。
秦の文公の、二十七年、人をつかわしてその樹を伐らせると、たちまちに大風雨が襲い来たって、その切り口を癒合させてしまうので、幾日を経ても伐り倒すことが出来ない。文公は更に人数を増して、四十人の卒に斧を執らせたが、なおその目的を達することが出来ないので、卒もみな疲れ果てた。
その一人は足を傷つけて宿舎へも帰られず、かの樹の下に転がったままで一夜を明かすと、夜半に及んで何者か尋ねて来たらしく、樹にむかって話しかけた。
「戦いはなかなか骨が折れるだろう」
「なに、骨が折れるというほどのことでもない」と、樹のなかで答えた。
一人がまた言った。
「しかし文公がいつまでも強情にやっていたら、仕舞いにはどうする」
「どうするものか。