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ちゅうごくかいきしょうせつしゅう
中国怪奇小説集
岡本 綺堂
Read 中国怪奇小説集 (ちゅうごくかいきしょうせつしゅう) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 179,458 characters · 363 screens
女は再び水をふくんで吹きかけると、蛇は椽のような大蛇となって、まん中の輪にはいった。ここで女は再びやめろと言ったが、客は肯かなかった。蛇はとうとう客の足から身体にまき付いて、頭の上にまで登って行った。
往来の人も大勢立ちどまって見物する。寺の者もおどろいた。ある者は役所へ訴え出ようとすると女は笑った。
「心配することはありません」
その蛇を掴んで地に投げつけると、忽ち元の棒となった。彼女はまた笑った。
「おまえの術はまだ未熟だのに、なぜそんな事をするのだ。わたしだからいいが、他人に逢えばきっと殺される」
客は後悔してあやまった。彼は女の家へ付いて行って、その弟子になったという。
渡頭の妖
邵武の渓河の北に怪しい男が棲んでいて、夜になると河ばたに出て来た。そうして徒渉りの者をみると、必ずそれを背負って南へ渡した。ある人がその子細を訊くと、彼は答えた。
「これは私の発願で、別に子細はありません」
ここに黄敦立という胆勇の男があって、彼は何かの害をなす者であろうと疑った。そこで、試みに毎晩出てゆくと、かの男はいつものように彼を背負って渡った。三日の後、黄は彼に言った。