Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
しつらくえんさつじんじけん
二十世紀鉄仮面
小栗 虫太郎
Read 二十世紀鉄仮面 (しつらくえんさつじんじけん) by 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 38,489 characters · 77 screens
大体法水君、君の意見は?」
然し法水には、何故か生気があった。
「所がねえ、僕は君達と違って、あの提灯を動かさずに観察して見たんだよ。提灯の中の蝋燭の火だけを凝然と瞶めていたのさ。すると、犯人の不思議な殺人方法が、何んとなく判って来るような気がして来たんだ。今に、天人像の後光と筒提灯との光との間に、一体どう云う不思議な機械が廻転していたものか――それが、屹度判る時期が来るに違いないよ。とにかく、今日は此れだけで打ち切って、僕によく考えさせて呉れ給え」
そうして、事件の第一日は、謎の山積の儘で終ってしまったが、果して熊城は、柳江・喬村・朔郎の三名を拘引したのだった。
三、二つの後光
その夜法水に三つの方面から情報が集まった。一つは法医学教室で――創傷の成因では法水の推定が悉く裏書され、絶命時刻も七時半から九時迄と云うのに変りない事。次は熊城で――朔郎が失ったと云うもう一本の鏨が発見され、その個所が、久八が蹲んでいたと云う場所の直前五米の池中だったと云う事。そして最後に、法水が月光の光背から採取した黒い煤様のものが、略々円形をなした鉄粉と松煙であると云う事――それは、鑑識課に依って明らかにされたのであった。