Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

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にじゅうしのひとみ

二十四の瞳

壺井 栄

Read 二十四の瞳 (にじゅうしのひとみ) by 壺井 栄 (つぼいさかえ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 113,429 characters · 227 screens

Aozora Bunko

男の子のほうがそうなると、女の子のほうもだまっていられない。いちばん心配のないミサ子は、富士子をさそった。二人の母親たちが仲がよかったからだ。螺鈿の硯箱が富士子には知らせずにミサ子の家へゆき、それで富士子はゆけることになった。二人のことがわかると、じっとしていられなくなったのは小ツルである。彼女はさっそくさわぎだした。

「ミイさんも富士子さんも旅行にいくウ。うちも貧乏質において、やってくれエ」

小ツルはほんとうにそういって、地だんだふんで泣いた。そのために彼女の細い目はよけい細く、はれぼったくなった。小ツルの母親は、小ツルとそっくりの目を糸のようにして笑いだし、むつかしい問題を出した。

「ミイさんとこは金もちじゃし、富士子さんとこはおまえ、なんというたって庄屋じゃもん。あんな旦那衆のまねはできん。じゃがな、もしもコトやんが行くんなら、小ツもやってやる。一ぺんコトやんと相談してこい」

とうていコトエはゆくまいと思ってそういったのであろう。ところが、走っていった小ツルはにこにこしてもどってきた。はあはあ肩でいきをしながら、

「コトやん、いくいうた」

「ほんまかいや」