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にんぎょうのはなし
人形の話
折口 信夫
Read 人形の話 (にんぎょうのはなし) by 折口 信夫 (おりくちしのぶ) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 4,238 characters · 9 screens
寝間の傍に獅子、狛犬がつく。獅子と狛犬とは区別がないのだろうが、獅子、狛犬というので二つになる。宮廷から出て、社でも貴族の家でもいちばん奥のところ、寝所とみられるところにおいてある。畢竟雛なのであるが、できる経路はわからぬ。しかし、寝間で番する根拠はわかる。仕事が変わっただけである。
「ひひな」は普通は人間の形代であり、人間の雛型だから、それがけがれを吸収する。だからそれを棄てればよいのだと考えている。ところが「ひひな」は古くから日本の家庭では玩具になっている。われわれは何ともなく思うが、「ひひな」はけがれを吸収したものだから、身辺にあるが恐しいものである。これが玩具となるのは飛躍しているわけである。日本では何か事情があって、これに親しみを感じてきたのだと思われる。
一方、他の「ひひな」をみると、このことは既に述べたが、日本の雛の歴史を調べるのに閑却できないのは、奥州一円にみられる「おしらさま」の存在である。こちらにくると観音さまや天照大神または蚕玉さま(蚕の守護神)の画像(掛図)になっている。これは大きな変化である。金田一先生は「おしらさま」は「おひらさま」