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がんりゅうじま

仇討二十一話

直木 三十五

Read 仇討二十一話 (がんりゅうじま) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,854 characters · 35 screens

Aozora Bunko

何かのかかり合いだろう。真逆(まさか)露見したのじゃあるまい。と思いながら役宅へつく。

白洲――と云っても自い砂が敷いてあるとは限らない。赤土の庭へ茣蓙(ござ)一枚、

「夜中ながら調べる。その方元佐々木九郎右衛門と申したであろうがな」

さてはと気がついたが逃げはできない。白を切ってその上に又と、

「一向存じません」

役人首を廻して、

「この男に相違ないか」

と云うので、喜遊次ふと横を見ると、篝火(かがりび)の影から、

「確(しか)と相違御座りませぬ。九郎右衛門、よも見忘れまい。中川十内じや」

と、中川十内。奉行又向直って、

「どうじゃ、その方にも見覚えがあろう」

「はっ」

と云ったが、十内が「相違ない」と云ったのと、奉行が「どうじゃ、その方にも」と云ったのとは、間髪を容れない呼吸で畳み込まれた。それに応じて明快に、

「いいえ決して」

とは中々云えない。誰でも「はッ」と出てしまう。その隙に又追かけて、

「縄打て」

あざやかな手口、原町へ置いておくには惜しい役人と思ったが、敵討願と云うので、丁度来合せていた領主相馬弾正の御目附、石川甚太夫が自身で調べたのだ。

五