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がんりゅうじま
仇討二十一話
直木 三十五
Read 仇討二十一話 (がんりゅうじま) by 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 16,854 characters · 35 screens
系図によると素は平田氏とも平尾氏とも云って居たが、この宮本村へ移ってから宮本氏を称したとするのが本当で、此処で武蔵は生れたのである。尤も武蔵の祖先に播州の旧家赤松氏の支族があるから、播州に縁の無い事もないし、宮本と云う所が、播作の国境に近いから間違いが起ったかと思えるし、父の代の前半までに播州におったとしたら、馴染の薄い美作より播州の方が口に出よいかも知れぬし、系図を尊ぶ時代故、武蔵も、
「播州赤松の後」
位の事は云っていたかも知れない。しかし屋敷跡もあり、父母の墓もあるし、旧主の城跡もあるとすれば、播州の人と云う、正確な証拠の出ぬ以上、美作の人とすべきである。
慶長十七年四月、小倉へ来た武蔵は、細川家の重臣、長岡佐渡ノ主興長を訪うた。興長は父無二斎の門弟である。そして、
「佐々木小次郎と一手合せたいから、上へ願ってくれないか」
と申入れた。細川三斎は頗る武芸を好んだ人であった。岩流を独創した小次郎と二天一流を発明した武蔵とは、武道に携る者として知らない者の無い名である。興長の話を聞いてすぐ許した。そして、
「日は四月十三日、辰の上刻(午前八時)、場所は船島に於いて」