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かめんのきょうふおう
仮面の恐怖王/電人M
江戸川 乱歩
Read 仮面の恐怖王/電人M (かめんのきょうふおう) by 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.
N3 · intermediate · modern kanji and kana · 153,590 characters · 308 screens
ただガラスに書いたんじゃハッキリ写らないもんだから、レンズまでとりつけたんです。」
運転手はMの字の恐ろしさを知らないので、平気でそんなことを言っていますが、博士のほうは、むちでピシッと、ほおをうたれたような気持でした。
いったい、なんのために、こんなにMの字をあらわすのでしょう。Mはいうまでもなく電人Mの名前ですが、それをなぜ、こんなに見せつけるのでしょう。
あいつは、木村助手に、五十万円で、発明の秘密を盗ませようとしましたが、木村君は、その手に乗らないことがわかりました。姿をあらわさないで、部屋の中にはいってくるあいつのことです。このあいだ研究室で、博士と木村君とが話し合っていたのを、聞いてしまったのかもしれません。
そこで、あいつは、第二のてだてを考えているのではないでしょうか。Mの字が、こんなにあらわれるのは、なにか恐ろしいたくらみの、前ぶれではないのでしょうか。
博士はそんなふうに、想像して、いよいよ、油断がならないと思いました。この博士の考えはあたっていました。電人Mは、じつに恐ろしいことを、たくらんでいたのです。
博士は家にはいると、すぐ警察に電話をかけました。