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へいけがに
伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集
岡本 綺堂
Read 伝奇ノ匣2 岡本綺堂妖術伝奇集 (へいけがに) by 岡本 綺堂 (おかもときどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 203,094 characters · 411 screens
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浦辺 勿論、工場の方にも規定があって、相当の弔慰金を差上げる筈になって居りますから、いずれ改めておとどけ致します。
李中行 (低い声で。)はい、はい。
(村上、時子、君子は寝室より出づ。)
浦辺 よく拝んで来ましたか。
時子 (眼を湿ませながら。)はい、お花を供えて拝んでまいりました。
君子 お午過ぎまで一緒に仕事をしていた阿香さんが、俄にこんなことになろうとは……。
(二人は袖を眼にあてて啜り泣きをする。)
村上 調べ革のあぶないと云うことは、阿香さんもよく知っている筈だがなあ。
高田 何かの用があって機械場へ行く場合には、よく気をつけるように云い渡されているんだが……。どうして調べ革のそばへ近寄ったのかなあ。
浦辺 その場にいた者の話によると、阿香さんもそんなに危ない所を通ったと云うわけでもないのだが、なんだか物にでも引かれたように、自分の方からふらふらと機械のそばへ寄って行ったように見えたと云うことだが……。
高田 (打消すように。)いや、そんなことは無い。阿香さんの死んだのは確に過失ですよ。自分の方から機械のそばへ寄ったなんて、そんな馬鹿なことがあるものか。