Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

いりむこじゅうまんりょう

入婿十万両

山本 周五郎

Read 入婿十万両 (いりむこじゅうまんりょう) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 10,650 characters · 22 screens

Aozora Bunko

そうなっては万事休すと云うので、重役は鳩首財政建直しを計ってみたが、どこをどう改革すべきか差当っての名案と云うものがない、しかも山屋の仕切り期限はこの年十二月二十五日と云う定めだ。

「とても我々の思案では切抜けられぬ」

と匙を投げた国老厨川靱負は、高信に向って最後の案を申出た。

「この上は是非がござりませぬ、京の岡田寒泉先生に御助力を願ったらと存じまするが」

「肯くであろうか」

「お上には昌平黌にて教えをお受け遊ばした間柄、必ず御尽力くださろうかと存じます」

岡田寒泉は医学国文に通じ、幕府に召されて昌平黌に教鞭を執ったが、一方経世済民の道にも精しく、一度出でて代官職となるや稀なる政績を挙げ、治国家としても世を驚かした人物である。

「ではとにかく当ってみよう」

と高信は事情を具して、京に隠退している寒泉の許へ使者を立てた――寒泉は高信の使者から精しく仔細を聴取ると、

「これは愚老が参ってもいたし方がない」

と云って使者に一通の書面を托して帰した。

待兼ねていた高信がそれを受取って読んでみると、――「大阪の唐物売買商(現今の貿易商)難波屋宗右衛門の伜で浅二郎と申す者がいる、これは拙老の門弟で財理の道に精しいから、これにお任せあるがよろしかろう。