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くらのすけるす
内蔵允留守
山本 周五郎
Read 内蔵允留守 (くらのすけるす) by 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 12,082 characters · 24 screens
「いかにもそのくらいのあぶれ者だ」一人がぺっと唾を吐いた。
「やい、なんとか咆えろ、返答あるか」
虎之助は黙っていた、黙ってはいたが、衝き上げてくる忿怒の血はどうしようもなかった。彼等の現われる直前に起こった烈しい自責の念は、そのはけ口を求めていたようなものである。彼は右側に近くいる一人が、手頃な太さの柳の枝を持っているのを見ながら、
「返答は是れだ」そう叫ぶや否や、彼を覘っていた男の手から柳の枝を奪い、その面上を発止と一撃した。打たれた男は勿論、五人はあっと叫びながら半円の影を拡げた。「止せ、慌てることはないぞ」五人が一斉に抜こうとするのを、虎之助は微笑しながら制止した。
「こんな場所ではお互いに充分な立合いはできぬ、また気弱な娘をおどろかすこともあるまい、娘を送り届けてから場所を選んで充分にやろう」
「その手に乗るか、逃げる気だろう」
そう叫ぶ男の面上で、烈しく柳の枝が二度めの音をあげた。今度のは前のよりも痛烈だったとみえて、打たれた男は絞り出すような叫び声をあげながら、脇の方へよろめき倒れた。それと見て、四人は颯と左右へひらきながら抜刀した。虎之助は柳の枝を青眼につけながら、