Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ちからもち

力餅

島崎 藤村

Read 力餅 (ちからもち) by 島崎 藤村 (しまざきとうそん) in Japanese with furigana. JLPT N3. Tap a word for the meaning.

N3 · intermediate · modern kanji and kana · 65,974 characters · 130 screens

Aozora Bunko

そうなると、男山、金峯山、女山、甲武信が岳などの山々が残りなくあらわれて、遠くその間を流れるのが千曲川の源なのです。かすかに見えるのが、それが山里の中の山里ともいうべき川上の村落です。

このかわずが見てきたのは高原の秋でした。そこいらには木立ちもところどころ。枝という枝はいずれも南向きに延びて、冬季に吹く風のはげしさも思いやられたとか。白かばは多く落葉して高く空に突っ立ち、細葉のやなぎはうずくまるように低くかくれています。秋の光を送る風がさわがしく吹きわたると、草は黄な波を打って、かしわの葉もうらがえって見えます。ここかしこに日のあたった大石は、秋のさびしさを語っているのです。

「ありしおで」の葉をたれ、弘法菜の花をもつのもそこです。「かしばみ」の実の道に落ちこぼれているのもそこです。

そこにはまた、野の鳥も住みかくれています。ささの葉のかげに巣を造るひばりは、老いて春先ほどの勢いがありません。うずらは物音に驚いたように、ときどき草の中から飛び立つやつですが、「ヒュヒュ、ヒュヒュ」と鳴くその声からして野の鳥らしい。見れば、ぶかっこうな羽をひろげて、舞いあがろうとして、やがてぱったり落ちるように草の中へ引きかくれます。