Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Read 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) by 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 290,735 characters · 566 screens
故に虎が人を襲うに、今度は誰を食うと、ちゃんと目算が立ちおり、その者家にありや否やを考えて、疑わしくば木枝を空中に擲げ、その向う処をみて占うといい、カンボジア人は、虎栖処より出る時、何気なく尾が廻る、その尖をみて向うべき処を定むと信ず。マレー人説には、虎食を卜うに、まず地に伏し、両手で若干の葉をとり熟視すれば、一葉の輪廓が、自分食わんと志す数人中の一人の形にみえるが首はない、すなわちその人と決定し食うと。またマレー人やスマトラ人が信ずるは、人里遠い山林中に虎の町あり、人骨をタルキ、人皮を壁とし、人髪で屋根をふいた家に虎どもが棲み、生活万端人間に異ならずと。銭祐が往った虎の官府に似た事だ。けだし、支那やマレー諸地に※(「豸+區」、第4水準2-89-8)虎※(「豸+區」、第4水準2-89-8)人の迷信盛んに、虎装した兇人が、秘密に部落を構えすみ、巧みに変化して種々の悪行をなし、時には村里へ出て内職に売卜したと見える。元来虎の体色と斑条が、熟日下の地面と樹蔭によく似るから、事に臨んで身を匿すに妙で、虎巧みにその身を覆蔵すと仏経に記され、〈虎骨甚だ異なり、咫尺浅草といえども、能く身伏し露れず、その然たる声を作すに及んで、すなわち巍然として大なり〉と支那説がある。