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じゅうにしこう
十二支考(上)〔全2冊〕
南方 熊楠
Read 十二支考(上)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) by 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 290,735 characters · 566 screens
と吟じた箍すなわち桶輪だ。この蛇赤と黒と入り乱れて斑を成し、瑳いた磁器ごとく光り、長三乃至六フィート、止期なしに種々異様に身を曲げ変る。それを訛ったものか、昔人この蛇毒を以て他動物を殺さんとする時、口に尾を銜みて、箍状になり、電ほど迅く追い走ると言ったが、全く啌で少しも毒なし、しかし今も黒人など、この蛇時に数百万広野に群がり、眼から火花を散らして躍り舞う、人その中に入れば躍り囲まれて脱し得ず、暈倒に及ぶと信ずる由。牡牛蛇も米国産で、善く牡牛のごとく鳴くと虚伝さる。一八五六年版アメリア・モレイの『米国等よりの書翰集』で見ると、当時ルイジヤナ州に牛の乳を搾る蛇あり、犢のごとく鳴いて牝牛を呼び、その乳を搾ったという。支那の南部に蛇精多く人に化けて、旅人の姓名を呼ぶ。旅人これを顧み応うれば、夜必ずその棲所に至り人を傷つく、土人枕の中に蜈蚣を養い、頭に当て臥し、声あるを覚ゆれば枕を啓くと蜈蚣疾く蛇に走り懸り、その脳を啗うというは大眉唾物だ(『淵鑑類函』四三九)。
一八六八年版コリングウッドの『博物学者支那海漫遊記』一七二頁注に、触れたら電気を出す蛇を載す。