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じゅうにしこう
十二支考(下)〔全2冊〕
南方 熊楠
Read 十二支考(下)〔全2冊〕 (じゅうにしこう) by 南方 熊楠 (みなかたくまぐす) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 251,906 characters · 495 screens
に見える。時計始めて渡来した時これを鶏の時を報ずるに比べて明人が時鶏と書いたは、北斗の形した針が時を指し自ずから鳴いて人に知らす事鶏のごとくなる故と白石先生の『東雅』に出づ。慶安元年板『千句独吟之俳諧』には「枕上の時鶏に夢を醒されて」「南蛮人の月を見るさま」と時鶏の字を用い居る。
古アテネで娼妓を牝鶏と綽名した。これは婉転反側して男客を俟つの状に象り、またカワセミと称えたは路傍に待ちいて客人を捉うるの手速きに拠ったのだ。それから昔尖塔の頂上に板を雄鶏に造って立て、僧徒にこの板が風に随うて動きやまぬごとく少しも懈らぬよう訓えたとジュカンシュは言ったが、グラメー説には、塔頂に十字架に添えて鶏の形を設くるは、ゴット人が雄鶏の武勇にあやかるためこれを軍旗とした遺風という。今は塔上に限らず、民家の屋根にも風見の鉄板を立てるを、鶏の形をせざるになお天気鶏(ウェザー・コック)と呼ぶは右の訳である(ハズリット、二巻六二六頁、ウェブストルの大字書)、欧州で昔カワセミの嘴を括って全身を掛け置くと、その屍が風の方角を示すと信ぜられ、英国のサー・トマス・ブラウンが実験したところ一向不実と知れた(ブ氏の『俗説弁惑』