Read classic Japanese books with furigana
ja-reading.com
Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.
きょうふのきせつ
叢書名著の復興1 恐怖の季節
三好 十郎
Read 叢書名著の復興1 恐怖の季節 (きょうふのきせつ) by 三好 十郎 (みよしじゅうろう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 257,544 characters · 508 screens
腕も確かに切り紙以上だろうが、それだけではない。実戦の効だ。免許の士が向ってもまず敵し難いなあ。(と口ではひどくノン気な事をいっていても眼は鋭く、黙って身仕度をしている仙太の横顔を見詰めている)
仙太 (仕度を終わり、地に手を突いて)じゃ、まあ、ご免なせえ。色々のご心配、生涯忘れることじゃござんせぬ。厚く御礼申しやす。ごめんなせえ。(辞儀をして立ち、箱を持って右手へ行きかける)
加多 (黙って見ていたが、やがて)待て。
仙太 ……? (立止り振り向くが加多が何とも言いつがないので、小腰を屈めてから再び立去りかける)
加多 待たぬか、この大馬鹿者め!
仙太 へい? へへへ、ご冗談を。
加多 阿呆! 馬鹿と言ったが聞こえぬか?
仙太 そこで言って俺が聞こえねえ法はありやせん、しかし馬鹿は承知だ。からかいなすっちゃいけねえ。私あ先を急ぐんで。
加多 物取り強盗、世が真直ぐに歩けると思うか?
仙太 なんだ、そのことか。へへ、真直ぐも曲ったもねえ、どうせこのご時世でさあ。百姓町人に利ける口の持合せはねえときまった。旦那、どうせ初手から横に這おうと腹あすえています。
加多 百姓町人に? うむ。